お知らせNews & Media

第59回神奈川建築コンクール『余白の杜~茅ヶ崎~』優秀賞

news

http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/0721/kanagawa-architecture-concours/gallery/59/house.html#Chigasaki


初めて敷地を訪れた時、そこには小さな平屋の住宅が草木に覆われながらひっそりと建っており、分け入るように敷地へ入っていくと、母屋と離れ、さらに風呂小屋が軒先伝いに繋がるように建っていた。その隙間には茅ヶ崎特有の緩やかな空気と時間が流れているように感じられたため、プライバシーの確保を優先するのではなく、生活感が外部へと染み出す皮膚の柔らかな家が求められていると考えた。

最終的にフォルムとしての家型から、いくつかの空間単位である離れが分離する過程に生じる隙間が、<内>と<外>の汽水域として曖昧な関係を生み出す縁側のような空間になることを目指した。母屋と離れの角度を振ることで正対関係を避け、空間に流れとパースペクティブをつくり出すことができた。

この住宅では、母屋の屋内空間<内>、離れとの隙間<内外>、離れ<外内>、庭<外>、という順で敷地の外へと接続し、離れの離散性に対して家型のフォルムが家の統合性を担保している。常に見え隠れする関係の中で、位相の異なる余白がさまざまな生活風景の受け皿となる。
                                              

お知らせ一覧へ戻る