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2015年中部建築賞『Nesting in the Sky』

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 天空の棲家とでも呼べばいいのだろうか。貴方は住宅に何を求めるのか!?この棲家からはそんな問い掛けが聞こえてくる。
 道路から下に崖状に延びる急傾斜地に立つ、ゆるい逆四角錐の搭状建物である。
 下の階のプライベートな寝室はあくまでも個室とし、上階パブリックは田の字型の平面に台所、食事処、居間、フリースペースの4コマプランがフロア・スキップして螺旋状につながり、最上部鉢巻状360度のハイサイド・ウインドウが空にむけて開ける空間に至る。
 最上部フリースペース(四分の一平面空間)は四周が開け、展望ラウンジの様相であり、遠い町並み、富士山、Skyが、人目を気にせずに自分のものにできる。
 このトルネード空間は、竪穴が空に向けた蓮の花のように、両手を開きながら空を取り込んでいく・・・・・ステップアップするフロアーが見え隠れしながら繋がり、その都度外部ロケーションと室礼(しつらえ)が変化して現れ、かつ、気分次第で自分の居場所を選択できる楽しみがある。こんな住まいかたもオリジナルで楽しいだろう。つまるところ、登りつめて天空と一体となり、光のシャワーが降り注ぐ佇まいは、視線を制御しつつ縦に開けた、豊かに考えつくされた空間構成の家である。


 (増澤 信一郎)

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